黒のスーツはビジネスシーンでもOK?マナーや着こなしのポイントを解説

2023/11/30

スーツの着こなし方

黒のスーツはビジネスシーンでもOK?マナーや着こなしのポイントを解説

黒のスーツは冠婚葬祭用に着用するというイメージがありますが、日本ではビジネスシーンでも着用できます。

しかし、黒スーツは礼服に見える可能性もあることから、礼服とビジネスシーンで着用する黒スーツの違いなどをよく理解しておくことが大切です。

本記事では、ビジネスシーンで着用する黒スーツについて、マナーや着こなしのポイントなど解説していきます。

黒のスーツはビジネスシーンでも着用して大丈夫?

黒のスーツはビジネスシーンでも着用して大丈夫?

結論からいうと、黒のスーツをビジネスシーンで着用することは可能です。

黒のスーツは主に冠婚葬祭で着用されます。
欧米などでは、基本的に黒のスーツをビジネスシーンで着用することはありません。

一方、日本においてはリクルート用のスーツとして黒のスーツを着用することが定着していることもあり、ビジネスシーンで黒のスーツを着用することもあります。

近年では、欧米発のスーツブランドでもビジネスシーン向けのブラックスーツが販売されています。
ただし、人によってはビジネスシーンで黒のスーツを着用することをよく思わない人もいます。

特に目上の方との商談などでは、黒のスーツは着用しないほうが無難だといえるでしょう。

なお、ビジネス用の黒いスーツと礼服は、色が黒いという点は同じですが、光沢感など見ればわかる違いがあります。
黒のスーツをビジネスシーンで着用するときは、そうした違いを認識しておくとよいでしょう。

ビジネス用の黒いスーツと礼服の違い

ビジネス用の黒いスーツと礼服の違い

ここでは、ビジネス用の黒いスーツと礼服の違いについて、以下の4つの観点から見ていきます。

  • 光沢感
  • 色の濃さ
  • 素材
  • デザイン

光沢感

ビジネス用の黒いスーツには光沢感がある素材が使われるのが一般的です。

一方、礼服は光沢感がなく、マットな仕上がりとなっています。

色の濃さ

礼服は濃い黒が使われており、ビジネスシーンで着用される黒いスーツはやや明るい黒であることが多いです。

礼服のように濃い黒に仕上げるには何度も染めたり、特別な素材を使ったりしなければなりません。

素材

礼服はウール素材100%で作られているのが一般的です。
一方、ビジネス用の黒いスーツはウールとポリエステルを混ぜて作られているのが一般的です。日々着用するもののため、シワのできにくい素材になっています。

ただし、ビジネス用の黒いスーツであっても、高級なものはウール100%で作られているものもあります。

デザイン

礼服とビジネス用の黒いスーツではデザイン面でも違いがあります。

細かい違いもあるため、表でまとめました。

礼服 ビジネス用の黒いスーツ
シルエット ゆったり 細目など流行に左右されやすい
ブレステッド ダブルが主流 シングルが主流
ラベル ピークドラベルが主流 ノッチドラベルが主流
ベント ノーベントが主流 センターベントやサイドベントなど

以下でそれぞれ見ていきましょう。

シルエット

シルエットに関しては、礼服は長く着用していくものということもあり、体型の変化があっても問題ないようにゆったりとしたシルエットのものが好まれます。

一方、ビジネス用の黒いスーツは流行に左右され、近年では細目なシルエットのものが多く見られます。

ブレステッド

礼服のブレステッドはダブルが主流です。

ビジネス用の黒いスーツに関しては、最近ではダブルスーツが着用されることは少なくなってきており、シングルが主流だといってよいでしょう。

ラベル

ピークドラベルとは、襟の先端が針のように尖っているデザインのもので、ノッチドラベルは一般的なスーツに採用されているものです。

冠婚葬祭で着用するスーツにはピークドラベルが採用されているのが一般的です。
一方、ビジネス用の黒いスーツはノッチドラベルが一般的になります。

ベント

ベントとはスーツの裾の切れ込みのことです。

ベントは昔、乗馬する際に動きやすいように切れ込みが入れられたことが始まりとされています。
こうしたこともあり、冠婚葬祭で着用されるような正式なスーツはベントが入っていないノーベントのものが一般的です。

一方、ビジネス用の黒いスーツはベントが入っているものが多くなっています。

なお、ベントには後ろに切れ込みの入ったセンターベントと、横に切れ込みの入ったサイドベントがあります。

黒のスーツをビジネスシーンで着用する際のマナー

黒のスーツをビジネスシーンで着用する際のマナー

黒のスーツをビジネスシーンで着用する際には、以下のようなマナーを押さえておくことが大切です。

  • 礼服用のスーツを着用しない
  • 座るときはボタンを外す
  • フラップは屋内では中にしまう

以下で詳しく解説していきます。

礼服用のスーツを着用しない

黒いスーツは礼服用のスーツとビジネス用のスーツに分けることができます。

すでにお伝えした通り、両者には光沢感や素材、デザインなどさまざまな違いがあります。

ビジネスシーンで黒のスーツを着用するのであれば、礼服用のスーツを着用しないようにすることが大切です。

座るときはボタンを外す

スーツを着るときは、一番下のボタンを付けないのがマナーです。

また、スーツを着用して座るときはボタンを外して座るのが正しいマナーとされています。

ただし、人前でボタンを外すことをよく思わない方もいらっしゃるという点は認識しておくとよいでしょう。

フラップは屋内では中にしまう

フラップとはポケットの中にホコリなどが入らないようについているフタのようなものです。
フラップのマナーとして、屋外に出るときはフタを外に出し、屋内に入るときは中にしまう、というものがあります。

なお、礼服はそもそもフラップのないノーフラップを採用しているものも多くなっています。

黒のスーツをビジネスシーンで着こなすポイント

黒のスーツをビジネスシーンで着こなすポイント

黒のスーツをビジネスシーンで着こなすにはシャツ、ネクタイ、靴など、それぞれの特徴を理解したうえでトータルでまとまるように工夫することが大切です。

なお、スーツのデザインについては以下のような点を押さえておくとよいでしょう。

  • シャドーストライプ柄
  • チャコールグレーに近い黒

黒のスーツといっても、柄や色味はさまざまです。
漆黒の無地のスーツだと礼服と思われてしまいやすいでしょう。

そこでおすすめなのが、シャドーストライプ柄の入ったスーツです。
シャドーストライプ柄は薄目のストライプが入ったタイプのもので、主張し過ぎず、ブラックスーツ特有の上品な印象を残すことができます。

また、色味はチャコールグレーに近い明るめの黒を選ぶことで、礼服と違う印象を与えることが可能です。

黒のスーツに合わせるシャツの選び方

黒のスーツに合わせるネクタイの選び方

黒のスーツに合わせるシャツの選び方について、色・柄・襟に分けて解説します。

黒のスーツはさまざまな色と合わせることができます。

ただし、基本的には白かサックスブルーを選ぶのがおすすめです。
白やサックスブルーのシャツは黒のスーツに合うのに加え、相手に清潔な印象を与えることができるでしょう。

黒のスーツにピンクやグリーンといったシャツを合わせることもできますが、ビジネスシーンで着用するには浮わついた印象を与えてしまう可能性があります。

黒のスーツに合わせるシャツとしては、無地のものを選ぶか、柄ありのシャツにするのであればストライプのものがおすすめです。

黒のスーツに合わせるのに、ビジネスシーンに適したシャツは白い無地のシャツです。

ただし、中には白い無地のシャツに物足りなさを感じる方もいらっしゃるでしょう。
そうした方の中で、柄ありのシャツを選ぶのであれば、サックスブルーやネイビーのストライプが入ったものもおすすめです。

シャツの柄として、チェック柄のものはカジュアルな印象を与えるためビジネスシーンには適していないことも多いです。

シャツの襟には以下のようなものがあります。

  • レギュラーカラー
  • ワイドスプレッドカラー
  • ボタンダウンカラー

レギュラーカラーのシャツはフォーマルな場で着用されることが多いです。

一方、ワイドスプレッドカラーは襟が広く開いたタイプのシャツで、近年ではビジネス用の定番として定着しています。

ただし、襟が開きすぎるとカジュアルな印象を与えてしまうこともあり、近年では90~100度ほど開くセミワイドスプレッドカラーがビジネスの主流となりつつあります。

なお、ボタンダウンカラーとは襟元でボタンを留めるタイプのもので、クールビズスタイルでは着用されることも多いですが、ビジネスシーンで着るにはカジュアルな印象を与えてしまいます。

黒のスーツに合わせるネクタイの選び方

黒のスーツに合わせるネクタイの選び方

黒のスーツに合わせるネクタイの選び方について、色・柄・形に分けて解説します。

黒のスーツにはさまざまな色を合わせることができますが、おすすめなのはネイビーやワインレッドです。

黒のスーツをビジネスシーンで着用する際に気を付けたい点として、礼服のような印象を与えないようにするということが挙げられます。

黒やシルバーのネクタイはフォーマル過ぎる印象を与えてしまう可能性があり、避けるべきだといえるでしょう。

ビジネスシーンで着用する黒いスーツに合わせるネクタイの柄は、フォーマルになりすぎないよう、やや華やかさを感じさせるのもよいでしょう。
ただし、あまり奇抜に感じるものや派手すぎるものはビジネスの場に合わない可能性があります。

ネイビーやワインレッドなどをベースに、チェック柄やストライプ柄などオーソドックスな柄のものを組み合わせるのがおすすめです。

ネクタイは両端の大きい部分を大剣、小さい部分を小剣と呼びます。
このうち、相手に見せるのが大剣部分で、この部分の幅や高さにより印象が変わります。

ビジネスシーンで着用するネクタイの形については、スーツのラベル幅に合わせることが大切です。

なお、ネクタイの幅は以下3つに分けることができます。

  • レギュラータイ
  • ナロータイ
  • ワイドタイ

それぞれの特徴やビジネスシーンでの利用に適しているのかを解説します。

レギュラータイ

レギュラータイは大剣の幅が7cm~9cmのもので、ビジネスシーンで着用するのに最も適しています。

ビジネスシーン、カジュアルシーンに関わらず幅広く着用でき、色や柄など多くのデザインから選べる点もポイントです。

ナロータイ

ナロータイは大剣の幅が4cm~6cm程度のものです。
近年流行している、細身のシャツやスーツに合わせるのに適したもので、おしゃれに着こなすことができるでしょう。

しかし、ナロータイはカジュアルな印象を与えるものです。
特に大事な会議や商談の際には、相手に不快な印象を与える可能性があるため、避けたほうが無難です。

ワイドタイ

ワイドタイは大剣の幅が10cm以上のものです。
体のコーディネートの中で、ネクタイの印象を強く残すことができるでしょう。

重厚感のある印象を与えることができ、あまり太すぎるものでなければ、ビジネスシーンでの着用も問題ありません。

黒のスーツに合わせる靴の選び方

黒のスーツに合わせる靴の選び方

黒のスーツに合わせる靴の選び方を、以下の要素に分けて解説します。

  • デザイン
  • 靴紐

ビジネスシーンに適した革靴の色は黒やブラウンが挙げられます。

このうち、黒のスーツに合わせるのであれば、黒がおすすめです。

スーツと革靴の色を合わせることで、スタイリッシュな印象を与えることができます。

デザイン

革靴には以下のようなデザインのパターンがあります。

  • ストレートチップ
  • プレーントゥ
  • Uチップ
  • ウィングチップ
  • タッセル
  • モンクストラップ

このうち、ビジネスシーンに適したデザインはストレートチップです。

以下で、それぞれのデザインの特徴を踏まえながら、見ていきましょう。

ストレートチップ

ストレートチップは革靴のつま先部分に真一文字(ストレート)の切り込みが入ったタイプのものです。
ストレートチップの革靴は格式が高く、大事なビジネスシーンで着用しても問題ありません

また、礼服に合わせることもできる点もポイントだといえるでしょう。

プレーントゥ

プレーントゥはつま先(トゥ)に切り込みがないタイプの革靴です。
プレーントゥもストレートチップと同様、ビジネスシーンで着用できる他、礼服と合わせることもできます。

また、カジュアルな場でも違和感なく着用できます。

Uチップ

Uチップはつま先の切り替え部分がU字型になっているタイプの革靴です。

Uチップはブルーカラー用に着用されてきた歴史があり、頑丈さがあることが特徴となっています。

ウィングチップ

ウィングチップはつま先の切り替えがWのような形になっているタイプの革靴です。
また、切り替え部分のつま先側にメダリオンと呼ばれる穴装飾がついています。

クラシカルな印象を与えるウィングチップですが、ビジネスシーンでの着用については問題ありません。
カジュアルな場でも着用できますが、装飾性が高いことから冠婚葬祭などフォーマルな場での着用には適していません。

タッセル

タッセルはローファーによく見られるデザインで、革靴の甲部分に房飾り(タッセル)が設けられています。

紐がないことから、ビジネスシーンでは適していない印象を与えますが、アメリカでは弁護士の靴として知られており、ビジネスシーンで着用することも可能です。

モンクストラップ

モンクストラップは靴紐ではなく、ベルトをバックルで留めてサイズを調整するタイプの革靴です。
ややカジュアルな印象を与えますが、ビジネスシーンでの着用については問題ありません。

ただし、冠婚葬祭などフォーマルな場には向いていないため注意が必要です。

靴紐

靴紐を通す革の部分を羽根と呼びますが、この羽根部分が内側にあるものを内羽根式、外側にあるものを外羽根式と呼びます。
内羽根式の革靴はフォーマルな印象を与え、外羽根の革靴はカジュアルな印象を与えます。

ビジネスシーンでもストレートチップなど格式高いデザインであれば外羽根式の革靴でも問題ありません

ただし、冠婚葬祭などで礼服に合わせるのであれば、内羽根式のものを選ぶ必要があります。
内羽根式はビジネスシーンでも着用できるため、ビジネスシーンでも冠婚葬祭でも同じ靴を着用したいのであれば、内羽根式のものを選ぶとよいでしょう。

黒のスーツのビジネスシーンでの着こなし例

黒のスーツのビジネスシーンでの着こなし例

黒のスーツをビジネスシーンで着こなすのであれば、先にご紹介したルールやマナーを押さえつつ、自分のスタイルや場に合ったコーディネートを意識することが大切です。

ここでは、以下の3つに分けて黒スーツの着こなし例を見ていきましょう。

  • 商談などフォーマルなビジネスシーン
  • パーティなどカジュアルなビジネスシーン
  • グローバルなシーン

商談などフォーマルなビジネスシーン

商談などフォーマルなビジネスシーンにおいては、無難なコーディネートを意識することが大切です。取引先や目上の人の中に、ルールやマナーに厳しい人がいる可能性があるためです。

例えば、黒のスーツに合わせるのであればシャツの色は無地の白にするなど、フォーマルな印象があるものがおすすめです。

スーツやシャツ、ネクタイなどに柄があるものを採用するのもよいですが、あまり主張し過ぎないものにしたほうがよいでしょう。

パーティなどカジュアルなビジネスシーン

パーティなどカジュアルなビジネスシーンであれば、あまりフォーマル過ぎるコーディネートだとかえって場違いになってしまう可能性があります。

黒のスーツの中でも、シャドウストライプなどやや柄が入っているものを選ぶとよいでしょう。

シャツの色については、同席する相手次第ではありますが、白やサックスブルー以外の、華やかな色を選ぶのも一つの方法です。

グローバルなシーン

欧米のビジネスシーンにおいて、黒のスーツは基本的に着用されないものと考えておきましょう。

このため、欧米のビジネスマンが同席するようなグローバルなビジネスシーンにおいては、黒のスーツは着用しないほうが無難です。

ビジネス用のおしゃれな黒スーツはオーダーメイドがおすすめ

ビジネス用のおしゃれな黒スーツはオーダーメイドがおすすめ

ビジネスシーンで黒スーツを着用する際のポイントや注意点、着こなし例などをご紹介しました。

黒スーツは上品さを印象付けることができますが、冠婚葬祭用に着用されるという印象が強く、着こなし方によっては相手方に悪い印象を与えてしまう可能性があります。
このため、ビジネスシーンでおしゃれな黒スーツを着用したいという方はオーダーメイドを検討するのがおすすめです。

例えば、シャドーストライプ柄のスーツであれば、礼服との違いは一目瞭然です。
その他、ブレステッドやラベル、ベントなどルールを抑えたうえで、ご自分の理想のスーツを仕立てたいのであれば、プロに相談しながらデザインするのがよいでしょう。

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