ウール100%スーツのメリット・デメリットとは?洗濯方法や値段も解説
2024/10/28
スーツに関する基礎知識
ウール100%のスーツは、冬の季節に暖かく過ごせるのはもちろん、通気性にも優れているため暑い夏の季節でも快適に着用できます。ただし、メリットばかりではなくデメリットも中には存在します。
快適かつかっこよくスーツを着こなすには、生地の特徴を考慮したうえで、自分に最適なものを選ぶことが大切です。
そこで本記事では、ウール100%スーツのメリット・デメリットについて詳しく解説します。ウール100%スーツを長く着続けられる選択方法や、値段相場も紹介するので、購入を検討している方は参考にしてください。
ウール100%スーツとは?4つの特徴
ウール100%スーツの特徴は、主に以下の4つです。
- 天然繊維である
- 通気性が良い
- 耐久性に優れている
- 保温性が高い
それぞれ見ていきましょう。
天然繊維である
ウールは羊の毛から取られた天然繊維で、中でも動物繊維と呼ばれるものです。天然素材は自然にある素材のみで作られており、敏感肌の人でも快適に着用できます。
また、ウール同様に天然繊維である素材は、以下の3つが挙げられます。
- コットン
- シルク
- リネン
ウールを含む天然繊維の素材は、肌触りが良く、吸湿性や通気性に優れているため、スーツに着心地の良さを求めている方におすすめです。
スーツに採用される素材の特徴について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
通気性が良い
ウールは通気性や放湿性に優れており、汗をかきやすい夏場でも蒸れにくく快適に過ごせます。また、生地に汗が染みつきにくく、汗による臭いや生地の劣化を防げる点も魅力です。
ウール100%のスーツを着用すれば、夏の暑いシーンでも、涼しげで爽やかな印象を表現できるでしょう。
耐久性に優れている
ウールは機能性の高さに加えて、耐久性にも優れています。特に形状の変化や経年劣化が少なく、元の状態を維持しやすいです。そのため、適切なメンテナンスを実施すれば、長くきれいな状態で愛用できます。
また、自然な弾力性と反発性があるため、シワになりにくい点も特徴です。万が一、シワが出きた際は、スチームアイロンを使用して伸ばせば簡単にきれいな状態に戻ります。
保温性が高い
ウールは通気性や放湿性だけではなく、保温性も高く、寒い冬の季節でも暖かさを維持できます。
基本的に衣服では、蒸気が液体に変化する時に熱を発生します。ウールは他の素材に比べて吸湿性に優れており、その分、発熱量も多くなります。一般的にウールの吸湿性は、ポリエステルの40倍、綿の2倍とされています。
ウールは体から放出される蒸気を吸収する機能に優れているため、暖かさを維持しやすく、冬の寒い季節にも最適です。
ウール100%とポリエステル混紡の違い
ウール100%とポリエステル混紡を比較した表は、以下のとおりです。
比較項目 | ウール100% | ポリエステル混紡 |
---|---|---|
耐久性 | 高い | 高い |
シワ | つきにくく、入っても簡単に伸ばせられる | つきにくいが、一度入ると取れづらい |
吸湿性 | 高い | 低い |
保温性 | 高い | 普通 |
摩擦に対する強さ | 弱く毛玉ができやすい | 耐摩耗性に優れている |
費用 | 高くなりやすい | コスパが良い |
体の動きやすさ | 動かしやすい | 動きにくい |
速乾性 | 低い | 高い |
静電気 | 起きにくい | 起こりやすい |
メンテナンス | 手間がかかる | 手軽に出来る |
ウールは見た目の上品さや快適な着心地を求める方に、ポリエステル混紡はコスパや実用性を求める方におすすめだと言えるでしょう。
ウール100%スーツのメリット4つ
ウール100%スーツのメリットは、主に以下の4つです。
- 季節を問わず快適に着られる
- しわになりにくい
- 高級感がある
- 自然なストレッチ性がある
他の素材にはないウール100%スーツのメリットを把握したうえで、購入するか考えていきましょう。
季節を問わず快適に着られる
ウール100%スーツは、吸放湿性・保温性の両方に優れているため、夏や冬などの季節を問わず快適に着用できます。
汗をかきやすい夏の季節は、通気性の高さを利用して、蒸れることなく快適に過ごせます。また、寒い冬の季節でも保温性の高さで、何枚も着重ねなくても暖かさを維持しやすいです。
一般的にウール100%のスーツは値段が高くなりやすいですが、一年を通して着られるため、季節ごとに買い替える必要はありません。そのため、結果的にコスパは高くなります。
しわになりにくい
ウール100%スーツは、しわになりにくく、きれいな状態を長く維持できます。さらに、弾性回復力が高いため、万が一しわが出来た場合でも、スチームや湿気を利用して簡単に伸ばせます。
また、小さなしわなら、着用したあとにハンガーにかけておくことで自然に伸びてくれやすいです。ウール100%スーツは、帰宅後のハンガー掛けやスチームアイロンによるメンテナンスを行うと、長くきれいな状態で愛用できる点が魅力です。
高級感がある
機能性の高さだけではなく見た目に高級感がある点も、ウール100%スーツのメリットです。
ウールは自然な光沢と柔らかい手触りが特徴的で、着用時に上品で高級な印象を与えられます。さらに、しっかりとした繊維構造を持っており、スーツのラインをきれいに表現しやすいです。
また、ウールはスーツ素材として伝統があり、多くの高級ブランドで採用されています。この歴史的背景によって、信頼性と格式も感じられる素材だと言えるでしょう。
自然なストレッチ性がある
ウールの繊維は自然な弾力性があり、体の動きに応じて伸縮するストレッチ性が魅力です。着用時の快適性や動きやすさが特徴的なため、外回りや出張が多いビジネスマンに最適だと言えます。
また、ウールスーツには、ナチュラルストレッチと呼ばれる特殊な加工が施されているケースが多いです。この加工によってストレッチ性が向上し、動きやすいだけではなく、しわも出来にくいため、長い間着用しても見た目を整えてくれます。
ウール100%スーツのデメリット4つ
ウール100%スーツのデメリットは、以下の4つです。
- お手入れが必要
- 水に弱く縮む可能性がある
- 値段が高い
- 虫害に注意が必要
それぞれ見ていきましょう。
お手入れが必要
ウール100%スーツは高級感や快適な着心地がメリットな反面、お手入れが必要な点がデメリットです。
特にウールは湿気を吸収しやすく、着用後にそのままクローゼットなどに入れると、型崩れやカビが生じやすいです。そのため、着用後はブラッシングでほこりやごみを取り除いたうえで、風通しの良い場所にハンガーでかける必要があります。
また、ウールは摩擦に弱く毛玉が出来やすいため、ブラッシングをする際は、上から下に向けて丁寧かつゆっくりに行いましょう。
水に弱く縮む可能性がある
ウールは水に弱く、雨に濡れたり水洗いで洗濯したりすると、生地が縮む可能性があります。また、洗濯の過程で不均一な摩擦が繰り返し加わると、毛玉が出来たり形が崩れたりしてしまいます。
ウールスーツの見た目や着心地を損なわないためには、水での洗濯は避けて、ドライクリーニングによるお手入れを行うのが基本です。しかし、毎回クリーニングに出すと、かかる費用が大きくなってしまいます。
そこで、軽い汚れや着用時間が短い場合などは、湿らせた布で汚れを拭いたり、スチームアイロンでしわを伸ばして形を整えたりするのがおすすめです。
値段が高い
ウール100%のスーツは、他の素材を採用したスーツに比べて費用が高くなりやすいです。一般的なスーツは、数千円〜5万円ほどが相場なのに対して、ウール100%のスーツは5〜10万円ほどになります。
さらに、ブランドやより機能性を充実させたスーツになると、20万円近くかかるケースもあるでしょう。ウール100%のスーツは機能性や着心地の良さは魅力的ですが、値段が一般的なスーツの相場に対して高くなる点は、デメリットだと言えます。
虫害に注意が必要
ウールは天然の動物繊維でタンパク質が豊富に含まれているため、虫食いにあいやすいです。虫食いにあってしまうと、穴が空いたり劣化が加速したりします。特に、汗や皮脂、食べ物などの汚れがついたままで保管した場合に発生しやすいです。
また、湿気が溜まりやすいため、シミや黄ばみが生じやすい点も難点です。虫食いや湿気によるシミ・黄ばみを防ぐためには、日頃からお手入れを行わなければいけません。
ウール100%スーツの正しい洗濯方法
ウール100%のスーツは、通気性や保温性に優れており、季節を問わず人気です。しかし、正しい方法で洗濯を行わないと、生地が劣化したり、縮んで形が崩れたりしてしまいます。
ここでは、ウール100%のスーツを長くきれいな状態で愛用するための正しい洗濯方法について解説します。自宅にウール100%のスーツがある、もしくはこれから購入する予定の方は、参考にしてください。
ドライクリーニングが基本
ウール100%スーツのお手入れは、ドライクリーニングが基本です。ドライクリーニングは水ではなく油を用いる方法で、乾燥させた状態で行います。そのため、ウールの生地が水で縮んだり型崩れしたりするのを防げます。
ウール100%のスーツをクリーニング店に出す際は、ウールである旨を伝えて、ドライクリーニングを依頼しましょう。
自宅で洗う場合は手洗いがおすすめ
ウール100%のスーツを自宅の洗濯機で洗うのは避けましょう。摩擦で毛玉が出来たり、シワがついたりするからです。
基本的に汚れが少なく自宅で洗う場合は、手洗いがおすすめです。手洗いをすると、摩擦を減らせるため毛玉が出来にくいです。また、スーツを確認しながら洗っていくため、洗いすぎで失敗する確率も減らせるでしょう。
専用の洗剤を使用する
自宅でウール100%スーツを洗う場合は、専用の洗剤を使用する必要があります。ウール100%スーツが浸るくらいの水にデリケート衣類用中性洗剤を入れて、洗浄液を作ります。
洗浄液にスーツを沈めて、優しく丁寧に洗っていきます。デリケート衣類用中性洗剤ではなく、洗浄力の強い洗剤を使用すると、生地の劣化や収縮が起きやすいため注意してください。
平干しで乾燥させる
スーツを洗ったあとは軽く脱水をかけて、平干しで乾燥させます。ウール100%スーツは水を吸収すると重くなり、ハンガーにかけて干すと、その重さで生地が伸びてしまいます。
また、ハンガーの肩部分にシワが寄ったり、変形したりする可能性もあるため、手洗いしたあとは平干しで乾燥させましょう。
ウール100%スーツの値段相場
ここでは、ウール100%スーツの値段相場について紹介します。自身の予算を考慮したうえで、ウール100%スーツを購入するか考えてみてください。
5万円〜10万円が一般的
ウール100%スーツの値段相場は、5万円〜10万円が一般的です。通常のスーツの相場が数千円〜5万円ほどであることを考えると、多少高めだと言えるでしょう。
また、ブランドや店舗によって価格は大きく異なります。特にイタリア製のウール100%スーツは、機能性に加えてデザイン性も高く、相場も10万円を超えるケースが多くなります。
オーダーメイドの場合は15万円以上
ウール100%スーツをオーダーメイドで仕立てた場合は、15万円以上するケースが多いです。特にフルオーダーで仕立てた場合は、高くなりやすいです。
しかし、既製品にはないサイズのジャスト感や機能性の良さを体感できます。さらに、デザインも自由に選べるため、世界で一つだけのオリジナルスーツに仕立てられるでしょう。
ブランドや仕立てによって価格は変動する
ウール100%と言っても、ブランドや仕立てによって価格は大きく変動します。特にオーダーメイドは、下記3つの仕立て方があります。
- パターンオーダー:約2万~5万円
- イージーオーダー:約5万~20万円
- フルオーダー:約20万~100万円
パターンオーダーの場合は、比較的リーズナブルな価格で仕立てられます。一方、イージーオーダーやフルオーダーでは、20万円近く、もしくはそれ以上かかるケースもあるでしょう。
オーダースーツの仕立て方による値段相場や、値段を左右するブランド・オプションなどの要素について知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
>>オーダースーツの値段相場はいくら?種類別に比較!予算の決め方のポイントも解説
ウール100%スーツがおすすめな人の特徴
ウール100%スーツがおすすめな人の特徴は、以下の4つです。
- フォーマルな場に頻繁に参加する人
- 快適さと見た目を重視する人
- 長期間使えるスーツを探している人
- 高級感を求める人
自分が当てはまっていないかそれぞれ見ていきましょう。
フォーマルな場に頻繁に参加する人
フォーマルな場に頻繁に参加する人には、ウール100%スーツがおすすめです。
ウールは自然な光沢感があり、高級感を醸し出せます。また、しっかりとした繊維構造でスーツのラインをきれいに保ってくれるため、フォーマルさを表現しやすいです。
フォーマルな場に頻繁に参加する場合は、高級感があり、フォーマル感を演出できるウール100%スーツを1着持っておくと良いでしょう。
快適さと見た目を重視する人
快適さと見た目を重視する人に、ウール100%スーツはおすすめです。ウールは通気性や保温性、吸湿性などに優れており、オールシーズンで快適に着用できます。
また、しわが出来にくく、かつしわが出来ても簡単に伸ばせるため、整ったスーツの見た目を維持できます。
長期間使えるスーツを探している人
ウール100%スーツは、長期間使えるスーツを探している人に最適です。
一般的にスーツの寿命は、3年〜5年だと言われています。ただし、ウール100%スーツは耐久性や自然な弾力性に優れているため、適切な保管・洗濯を行えば、長くきれいな状態で愛用できます。
季節問わず着用できて、長く愛用できるスーツを求めているなら、ウール100%スーツがおすすめです。
高級感を求める人
ウール100%スーツは、高級感を求める人にもおすすめです。素材の特性や機能性から高級感があり、フォーマルな場面に向いています。
また、スーツに関する長い歴史の中でウールは高級なイメージがあるため、スーツに詳しい人に対しては、信頼性と格式の高さを感じさせられるでしょう。
ウール100%スーツに関するよくある疑問
ここでは、以下のようなウール100%スーツに関するよくある疑問と、その回答について紹介します。
- 夏でもウール100%スーツは着られる?
- ウール100%スーツのしわはどうやって取る?
- ウール100%スーツの虫食いを防ぐ方法は?
- ウール100%スーツはどのくらい持つ?
疑問をなくしたうえで、ウール100%スーツを購入するか考えましょう。
夏でもウール100%スーツは着られる?
夏でもウール100%スーツは、快適に着用できます。ウールは通気性や吸湿性に優れているため、汗をかきやすい夏の季節でも、蒸れることなくさらさら感を保てます。
ただし、汗を含んだ状態で放置しておくと、カビが生えたり生地が劣化したりしやすいです。そのため、着用後は適切にメンテナンスを実施し、汗を多く吸収した場合はクリーニングに出すか、自宅で手洗いしましょう。
ウール100%スーツのしわはどうやって取る?
ウール100%スーツのしわは、スチームアイロンを当てることで簡単に取れます。
また、少しのしわなら、霧吹きで水分を吸収させたうえでハンガーにかけておくと、勝手に伸びてくれるケースも多いです。霧吹きでなくても、湿気がある入浴後の浴室に30分ほど吊るしておくことでも、しわを軽減してくれます。
ウール100%スーツの虫食いを防ぐ方法は?
ウール100%スーツの虫食いを防ぐ方法は、主に以下の5つです。
- クリーニングで乾燥させてから収納する
- 着用にかかわらず定期的にブラッシングを行う
- 通気性の良い場所に保管する
- 防虫剤を使用する
- スチームアイロンをかける
ウールはタンパク質を豊富に含み、虫食いにあいやすいため、保管中も定期的に点検し、早期発見・早期対応を心がけていきましょう。
ウール100%スーツはどのくらい持つ?
一般的なスーツの寿命は、3年〜5年だと言われています。ただし、ウールは耐久性の高さや、しわの伸ばしやすさなどに優れているため、適切なお手入れを行えば、10年近く着用できる可能性もあります。
ウール100%スーツの寿命を少しでも伸ばすために、定期的なクリーニングやブラッシング、虫食いを防ぐ保管方法を実施しましょう。
ウール100%スーツならオーダーメイドがおすすめ
ウール100%スーツは、通気性や吸湿性、保温性などに優れているため、夏場の暑い季節はもちろん、冬の寒い季節でも快適に着用できます。さらに、耐久性の高さや自然な弾力性によるしわの伸びやすさが魅力で、適切なお手入れを行えば、長くきれいな状態で愛用できます。
しかし、既製品のスーツでは、なかなか自分にジャストフィットするサイズのスーツが見つからないと悩む方もいるでしょう。自分の体にサイズが合っていないと、ウールの快適の良さを最大限に引き出せません。
季節問わず快適に長く着続けられるスーツを求めている方は、オーダーメイドのウール100%スーツがおすすめです。オーダースーツなら、丁寧な採寸をもとに一から製作するため、自分の体にフィットするサイズに仕上げられます。
特に「Suit Ya」なら、追加料金なしでオプションをつけられるので、スーツの機能性や見た目の良さを追求して、オリジナルのスーツを手に入れられます。
サイズやデザインにこだわった世界で一つだけのウール100%スーツを手に入れたい方は、ぜひSuit Yaにお問い合わせください。
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