スーツの本切羽とは?メリット・デメリットや料金など詳しく解説
2024/11/29
スーツに関する基礎知識
スーツの本切羽(ほんせっぱ)は、袖口のボタンが実際に開閉できる仕様です。特徴を理解したうえで上手くスーツスタイルに取り入れると、高級感のあるおしゃれな印象を与えられます。
しかし、本切羽を聞き馴染みのない方は、特徴や魅力について分からないかもしれません。
そこで本記事では、スーツの本切羽におけるメリット・デメリットについて解説します。料金相場やおすすめの着用シーンも紹介するので、本切羽付きスーツをかっこよく着こなしたい方は、参考にしてください。
本切羽とは?スーツにおける役割と特徴を解説
本切羽とは、スーツジャケットの袖口が開閉できる特殊な仕様で、本開きとも呼ばれています。単なる飾りではなく、実際にジャケットの袖口にボタンホールがあり、機能的に開閉できるのが特徴です。
また、本切羽は一般的な既製品スーツではあまり採用されておらず、オーダースーツや高級スーツに多く見られます。そのため、本切羽のあるスーツを着用すると、高級感やスーツの玄人感を表現できます。
ここでは、本切羽の由来や役割、特徴を解説するので、理解したうえでスーツスタイルに取り入れてみましょう。
本切羽の由来
本切羽の由来としては、主に以下の2説が挙げられます。
- ナポレオン説
- 医療由来説
ナポレオン説は、フランスの皇帝ナポレオンが、軍隊のロシア進軍時に考案したとされる説です。進軍時に兵士たちが、厳しい寒さによって鼻水を袖で拭くのを防ぐため、袖口にボタンを付けさせたのがきっかけです。
一方、医療由来説では、19世紀初頭に医師が手術時に袖をまくりやすくするために、考案されたとされています。当時のシャツは下着と認識されており、人前でジャケットを脱ぐことは失礼とされていました。
そのため、医師が手術時に袖をまくる必要があり、袖口のボタンを開閉できる仕様にしたのが、本切羽の始まりです。
本切羽はなんのためにある?役割と特徴
本切羽は袖口のボタンを実際に開閉できる仕様で、袖を折ったりまくったりできます。
ただし、昨今では、おしゃれを表現するデザインと認識している人も多いです。そのため、オーダーメイドや高級ブランドのスーツに多く採用されています。
また、本切羽は仕立てが難しく、南イタリアのスーツ職人が、腕前を見せる手段としても発展してきました。
本切羽と開き見せの違い
本切羽と開き見せの違いを以下の表で比較しました。
比較項目 | 本切羽 | 開き見せ |
---|---|---|
機能性 | 袖口のボタンを実際に開閉できる | ボタンホールはあるが、実際には開閉できない |
外観 | 外側のボタンを一つ外してこなれた雰囲気を出せる | 見た目を変えておしゃれを楽しむことはできない |
製作の複雑さ | 作りが複雑で、高い縫製技術が求められる | 本切羽よりも比較的簡易的とされている |
メンテナンス | 既製品ではお直しが難しい場合がある | お直しがしやすい |
開き見せの袖口部分は、布が重なるように縫製されており、本切羽と似た見た目をしています。
また、本切羽は高級感のあるディテールと言われるケースがありますが、必ずしも、本切羽のあるスーツが高級だとは言い切れません。
スーツに本切羽を取り入れる3つのメリット
スーツに本切羽を取り入れるメリットは、以下の3つです。
- 本格的な印象を与えられる
- 袖口の調整がしやすい
- 個性を演出できる
メリットを理解したうえで、おしゃれ感のある本切羽付きスーツを着こなしましょう。
本格的な印象を与えられる
スーツに本切羽を取り入れると、本格的な印象を与えられます。本切羽は主にオーダーメイドや高級ブランドのスーツに見られる仕様であり、高級感を醸し出してくれます。
また、スーツに詳しい人へアピールできるディテールで、ファッションへのこだわりを示す手助けともなるでしょう。
さらに、最も外側のボタンを1つ外して、袖を折ったりまくったりすることで、こなれた印象やスタイリッシュな雰囲気を演出できます。本切羽を取り入れたスーツは、玄人感のある本格的な印象を感じさせられます。
袖口の調整がしやすい
スーツに本切羽を取り入れるメリットの一つとして、袖口の調整がしやすい点も挙げられます。
本切羽は実際に袖口のボタンを開閉できるため、簡単に袖をまくれます。そのため、仕事の作業中や手洗いなどで袖をまくりたい時に便利です。
また、暑くて蒸れやすい夏の季節は、袖口を開けることで、体温調節や通気性を確保できるでしょう。
本切羽は単なる装飾ではなく、実用性とおしゃれさを兼ね備えた重要なディテールだと言えます。
個性を演出できる
スーツの本切羽は、個性を演出できる仕様でもあります。
本切羽は、一般的な既製品スーツにはあまり見られないため、取り入れることで他の人と差別化できます。とくに、オーダースーツでは、自分の好みに合わせたデザインや素材で仕立てられるため、より個性的なスタイルを表現しやすいです。
本切羽のボタンやステッチのデザインをカスタマイズして、自分だけのオリジナルスーツを仕立てたい方は、オーダースーツの購入を検討してみてください。
スーツに本切羽を取り入れるデメリット
スーツに本切羽を取り入れるデメリットは、以下の3つです。
- 費用が高くなる
- 既製品では調整が難しい場合がある
- シーンに合わない場合もある
本切羽のメリットと合わせてデメリットを把握したうえで、スーツに取り入れるかを検討しましょう。
費用が高くなる
スーツに本切羽を取り入れるデメリットとしては、費用が高くなる点が挙げられます。
費用が高くなる要因は、主に以下の3つです。
- 製作に手間がかる
- 職人の高度な技術が必要になる
- オプションとして追加する必要がある
本切羽は、実際にボタンが開閉できる仕様であるため、開き見せに比べて製作に手間がかかります。また、複雑で高い縫製技術が求められるため、職人の技術と時間が必要となり、コストが上昇します。
既製品では調整が難しい場合がある
本切羽を採用した既製品のスーツでは、袖丈の調整が難しい場合があります。実際にボタンホールが開いている本切羽では、開き見せと同様の簡易的な方法では、袖丈の調整ができません。
さらに、袖口から直接調整できず、アームホールから袖丈を直す必要があります。高度な技術が求められるため、店舗によっては断られるケースもあるでしょう。
また、そもそも本切羽を採用した既製品は少なく、サイズやデザインの選択肢が限られてしまいます。そのため、自分に合ったサイズやスタイルを実現できる本切羽付きのスーツを手に入れたい場合は、オーダースーツがおすすめです。
シーンに合わない場合もある
本切羽を取り入れたスーツは、シーンに合わない場合もあります。とくにカジュアルシーンでは、高級感やフォーマル感を演出できる本切羽付きのスーツは、適切ではありません。
ビジネスカジュアルや軽い集まりでは、開き見せの方が自然に見える場合が多いと言えます。
本切羽をスーツに追加する場合の料金相場
ここでは、本切羽をスーツに追加する場合の料金相場を紹介します。実際に取り入れるか検討する際の参考にしてください。
オーダーメイドスーツでの本切羽の料金相場
オーダーメイドスーツで本切羽を取り付ける際の料金相場は、2,000~4,000円ほどです。本切羽はジャケットのオプションで、他のオプションと同様の価格帯となっています。
ただし、料金は各テーラーやブランドによって異なる可能性があります。高級オーダースーツ店では、標準仕様に設定されており、追加料金なしで選択できる場合もあるでしょう。
また、オーダースーツでは、本切羽の他にもさまざまなオプションがあります。オーダースーツのオプションや料金相場について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
>>オーダースーツのオプションにはどんなものがある?料金・おすすめを紹介
既製品への後付けの料金相場
既製品のスーツに本切羽を後付けする場合の料金相場は、以下のとおりです。
- ミシンで本切羽を追加する場合:8,800円〜13,200円ほど
- 手縫いで本切羽を追加する場合:15,400円〜19,800円ほど
ただし、生地のはぎ足しが必要な場合、追加で5,500円ほどかかるケースもある点に注意が必要です。
また、袖を調整したあとに、穴の開いたボタンホール仕様に変更するケースがほとんどで、納期は約2週間以上もかかってしまいます。
本切羽付きスーツがおすすめのシーン
本切羽付きスーツがおすすめのシーンは、以下の3つです。
- ビジネスシーン
- 結婚式などのフォーマルな場面
- カジュアルなスタイルにも応用可能
それぞれ見ていきましょう。
ビジネスシーン
本切羽は高級感を演出するディテールであり、フォーマルさやプロフェッショナル感が求められるビジネスシーンにおすすめです。とくに大事な会議や商談など、よりフォーマルな印象が求められる場面で効果的だと言えます。
また、本切羽はオーダースーツのオプションとして設定されているケースが多く、他の人と差別化したいビジネスマンにも最適です。
結婚式などのフォーマルな場面
本切羽付きスーツは、結婚式などのフォーマルな場面にもおすすめだと言えます。理由としては、以下が挙げられます。
- 高級感がある
- 洗練された印象を与えられる
- こなれた雰囲気を演出できる
- カスタマイズで個性を表現しやすい
結婚式などの特別なイベントでは、見た目の印象が大切であり、本切羽の高級感や洗練された印象は最適です。
また、本切羽はカスタマイズすることで、個性を表現できます。自分らしいスタイルで結婚式やフォーマルな場に臨みたい方は、取り入れてみてください。
カジュアルなスタイルにも応用可能
本切羽付きスーツは、カジュアルなスタイルにも応用可能です。袖口のボタンを外したり、袖をまくったりすることで、フォーマルさを兼ね備えたカジュアルスタイルに仕上げられます。
また、袖口のボタンを一つ外すことで、こなれた雰囲気を演出できます。こなれた雰囲気から醸し出せるヌケ感は、堅苦しさを和らげてくれるため、カジュアルな場に最適です。
さらに、袖口を開けることで手首が露出し、腕時計やブレスレットなどのアクセサリーと合わせやすくなります。カジュアルな場では、袖をまくったり、アクセサリーを取り入れたりしながら、カジュアル感を表現していきましょう。
スーツにおける本切羽のよくある疑問
ここでは、以下のようなスーツにおける本切羽のよくある疑問と、その回答を紹介します。
- 本切羽はなぜ高級スーツの象徴とされるのか?
- 本切羽の有無で見た目に違いは出るか?
疑問をなくしたうえで、本切羽をスーツに取り入れるか考えていきましょう。
本切羽はなぜ高級スーツの象徴とされるのか?
本切羽が高級スーツの象徴とされる理由は、以下のとおりです。
- 複雑で高い縫製技術が求められる
- オーダーメイドや高級ブランドで採用されるケースが多い
- 開き見せに比べて珍しい仕様と認識している人が多い
- 本格的な印象を与えられる
これらの理由から、本切羽は高級感やわかっている感をアピールするのに適したディテールとして、広く認識されています。
ただし、必ずしも本切羽が高級スーツの証ではなく、リーズナブルな既製品スーツに採用されている場合もあります。
本切羽の有無で見た目に違いは出るか?
本切羽を採用すると、シャツとのバランスに微妙な変化が生じ、スーツスタイルの全体的な印象も変わってきます。
また、ボタンのデザインや素材をカスタマイズすれば、本切羽を採用していない場合に比べて、個性を表現しやすいでしょう。
本切羽を取り入れるならオーダースーツがおすすめ
本切羽をスーツに取り入れると、以下のようなメリットがあります。
- 高級感を演出できる
- 本格的な印象を与えられる
- 袖口の調整がしやすい
- 個性を演出できる
しかし、既製品で本切羽が採用されているスーツは少なく、自分に合ったサイズや、好みのデザインを見つけるのは難しいでしょう。
サイズ感やデザインにこだわったうえで、本切羽付きのスーツを手に入れたい方は、オーダースーツがおすすめです。
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本切羽を取り入れて、高級感や小慣れたおしゃれ感を表現したい方は、ぜひ「Suit Ya」での購入をご検討ください。
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また、以下の記事でおすすめのオーダースーツ店舗を紹介していますので、比較検討したい方はあわせてご覧ください。