裾上げとは?裾直しとの違い・やり方をスーツ専門店が解説
2025/10/30
スーツに関する基礎知識

新しく購入したパンツやスーツの裾が長すぎて、どう直せばよいか迷っていませんか。
裾上げと裾直しの違いを理解せずにお店へ依頼すると、希望と違う仕上がりになるかもしれません。
また、TPOに合わない仕上げ方を選ぶと、印象を損ねてしまうおそれもあります。
本記事では、裾上げと裾直しの違いから、シングル・ダブル仕上げなどの特徴、セルフで裾上げする手順、料金相場、よくある質問まで解説します。
自分の体型やシーンに合わせて裾上げしたい方は、参考にしてください。
裾上げとは?

裾上げとは、衣類の裾部分を適切な長さに調整することです。
主に、パンツやスカート、ワンピースなどが長すぎる場合に、体型や好みに合わせて短くし、端を処理します。
単に生地を切って短くするだけでなく、切断面がほつれないように内側に折り込んで縫い付けたり、専用のテープで接着したりする方法があります。
既製品の衣類は標準的な体型をもとに製造されているため、裾上げは衣類を自分仕様にするための基本的な作業です。
裾上げした衣類はシルエットを整えるだけでなく、安全性や機能性の向上にも直結します。
裾上げと裾直しの違い

裾上げと裾直しには、明確な違いがあります。
裾上げとは、裾を上げて丈を短くすることです。パンツやスカートの丈が長すぎる場合に、余分な生地をカットまたは折り込んで短く調整するのが裾上げです。
一方、裾直しは裾に関するあらゆる調整作業を含みます。
丈を短くする裾上げはもちろんのこと、縫い目を解いて丈を長くする、あるいは擦り切れた裾を修理するなどの作業も含まれます。
もし丈が短いパンツを長くする裾直しが必要にもかかわらず、誤って「裾上げをお願いします」と依頼してしまうと、店舗側は丈を短くする指示と解釈し、貴重な縫い代部分をカットしてしまう可能性があります。
お直しの依頼時には、「裾を直したい」と伝えるのではなく、「短くしたいのか」「長くしたいのか」を具体的に示しましょう。
裾上げの目的

裾上げには、以下のような目的があります。
- 自分の体型に合う長さにするため
- 安全性を確保するため
- 動きやすくするため
それぞれの目的を詳しく解説します。
自分の体型に合う長さにするため
裾上げの目的は、衣類を自分の体型にフィットさせ、シルエットを整えることです。
既製品は平均的な体型を基準に作られているため、個々の身長や脚の長さが一致するのは稀です。
裾が長すぎると、足元に生地がたまってしまい、クッションと呼ばれるシワが過剰にできます。
余分なクッションはだらしなく、手入れが行き届いていない印象を与え、全体のスタイリングを損なう原因となります。
裾上げは、TPOに応じた適切な身だしなみを完成させるために必要な工程です。
スーツの袖丈も体型に合わせたい方のために、以下の記事で袖丈の直し方を解説しています。
>>【スーツの袖丈直しは自分でできる?袖が長い時の対処法・料金を解説
安全性を確保するため
裾上げには安全性を確保する目的もあります。
長すぎるズボンの裾は、歩行中に自分のかかとで踏みつけてしまったり、階段や段差で引っかけてしまったりする原因になりかねません。
転倒や事故を防ぐため、多くの職場では身体にフィットした作業服の着用が義務付けられています。
適切な裾の長さは、単なる快適さの問題ではなく、着用者の身体を守るための安全対策にもなります。
動きやすくするため
裾上げは、着用者の動きやすさ、すなわち快適性を向上させる目的も持っています。
裾が長すぎて足元でまとわりつくと、歩く、しゃがむ、階段を上り下りするなどの日常的な動作にストレスを感じるようになります。
特に、頻繁に身体を動かす作業現場では、動きが制限されることで作業効率が低下するだけでなく、不自然な体勢を強いられることで身体的な負担が増加しかねません。
適切な長さに調整されたズボンは、足の動きを一切妨げることなく、長時間の着用でも快適さを維持できます。
さらに、裾が地面に擦れることがなくなるため、生地の摩耗や損傷、汚れを防ぎ、衣類そのものの寿命を延ばす効果もあります。
裾上げのやり方

裾上げのやり方には、以下の3つの方法があります。
- シングル仕上げ
- ダブル仕上げ
- 裾上げテープ
裾上げを検討している方のために、それぞれの特徴を解説します。
シングル仕上げ
シングル仕上げは、スラックスの裾を内側に折り返して縫い上げる、標準的な仕様です。
外見上、裾に折り返しがなく、すっきりとした直線的なシルエットに仕上がります。
日本ではビジネススーツの裾上げとしてシングル仕上げが主流になっており、どのようなビジネスシーンでも通用する方法です。
また、タキシードや燕尾服などの格式の高いフォーマルウェアでは、シングル仕上げが基本です。
シングル仕上げは冠婚葬祭から日常のビジネスまで幅広く対応できるため、特に最初のスーツや礼服を仕立てる際に選ばれる裾上げ方法です。
ダブル仕上げ
ダブル仕上げは、裾を外側に折り返しすスタイルで、シングル仕上げに比べてカジュアルな印象を与えます。
元々ダブル仕上げは、屋外での活動に適したスポーティーな仕様でした。しかし、欧米ではビジネススーツの裾上げ方法として主流になっています。
ダブル仕上げを選ぶ際に重要なのが折り返しの幅で、一般的には3.5cmから4.5cmが標準とされますが、身長やパンツのシルエットに合わせて調整する必要があります。
日本ではダブル仕上げはやや個性的だと見なされることもありますが、ビジネスカジュアルやジャケパンスタイルに適しています。
裾上げテープ
裾上げテープは、針と糸を使わずに、アイロンの熱で接着剤を溶かして裾を固定する方法です。
裾上げテープには、片面接着タイプと両面接着タイプの2種類があります。
片面タイプは、折り返した裾の端に上から貼り付けるため、耐久性が高く洗濯にも強いですが、内側からテープが見えてしまうのが欠点です。
一方、両面タイプは生地と生地の間に挟み込んで接着するため、仕上がりがきれいで外からテープが見えませんが、片面タイプに比べて耐久性がやや劣ります。
裾上げテープはアイロンの熱を利用するため、シルクやナイロンなどの熱に弱い素材や、洗濯表示でアイロン不可となっている衣類には使用できません。
また、洗濯を繰り返すうちに接着力が弱まり、剥がれてくる可能性があるため、応急処置や手軽な解決策として考えましょう。
裾上げは自分でできる?セルフでのやり方

自分で裾上げする際は、以下の手順で進めていきます。
- 必要な道具をそろえる
- 着用してちょうどよい長さを測る
- アイロンで折り目をつけてから縫う
初めて裾上げに挑戦する方のために、それぞれの手順を詳しく解説します。
必要な道具をそろえる
セルフで裾上げするためには、まず必要になる以下の道具をそろえます。
- メジャー
- 定規
- チャコペンシル(または消えるタイプの布用ペン)
- まち針またはクリップ
- 布切りばさみ
- 縫い針・縫い糸
- アイロン
- 当て布
上記の大半は、100円ショップや手芸店で手軽に入手可能です。
定規は、アイロンの熱に耐えられる金属製のものか、厚紙で自作した裾上げガイドが便利です。
縫い糸は、裾上げする生地の色にできるだけ近いものを選びます。完全に同じ色がない場合は、生地より少し濃い色を選ぶと縫い目が目立ちにくくなります。
着用してちょうど良い長さを測る
裾上げで重要なのが、長さの測定です。正確な長さを測るためには、以下の手順どおりに進めましょう。
- 1.裾上げをしたいパンツを着用し、普段合わせる予定の靴を履く
- 2.大きな鏡の前にまっすぐに立ち、自然な姿勢を保つ
- 3.理想の長さで裾を外側に折り返して、まち針かクリップで数ヵ所固定する
ややカジュアルに見せたいスーツの場合はくるぶしが隠れる長さに固定し、フォーマルな場に着用するスーツの場合は革靴に軽くかかる程度にするのが基本です。
裾が短くなるほどカジュアルな印象になると覚えておきましょう。
アイロンで折り目をつけてから縫う
正確な長さが決まったら、縫い始める前にアイロンを使ってしっかりと折り目を付けます。
まず、パンツを裏返し、まち針で留めた位置を目安にして、裾を内側に折り込みます。
そして、当て布をしてからアイロンをかけ、折り目をしっかり付けましょう。この折り目が、縫う際のガイドラインになります。
次に、縫い代の処理をおこないます。一般的に縫い代は3cmから4cm程度確保し、それ以上長い余分な生地はカットします。
丈夫で見た目もきれいに仕上げるために、さらに1cmほど内側に折り込んで再度アイロンをかけましょう。
裾上げに関するよくある質問

裾上げに関しては、以下のような質問が寄せられます。
- 裾上げを頼む場合の料金はいくら?
- 裾上げはアイロンテープでもできる?
- 裾上げは洗濯後にも必要?
上記の質問に個別に回答していきます。
裾上げを頼む場合の料金はいくら?
裾上げを専門の店舗に依頼する場合の料金は、以下の条件によって異なります。
- 衣類の種類
- 仕上げの方法
- 生地の素材
- 依頼する店舗の業態(洋服お直し専門店、クリーニング店、百貨店など)
一般的に、工程がシンプルなものほど安く、複雑なものや特殊な技術を要するものほど高価になります。
例えば、スーツの裾上げは、シングル仕上げが1,000円〜1,500円程度、ダブル仕上げが1,200円〜2,000円程度です。
パンツタイプよりも、スカートやワンピースの裾上げのほうが高くなります。スカートの裾上げは2,000円〜2,500円、ワンピースの裾上げは3,000円程度です。
裾上げはアイロンテープでもできる?
裾上げはアイロンテープを使用しても可能です。
アイロンテープは、針や糸を使わずに裾を固定できるため、裁縫が苦手な方や時間がない方にとって便利な方法です。
市販のアイロンテープには、デニムなどの厚手生地に対応した強力タイプ、ジャージなどの伸縮素材に適したストレッチタイプ、薄手の生地用のものなど、さまざまな種類があります。
用途に合わせて、最適なアイロンテープを購入しましょう。
ただし、アイロンテープは洗濯のたびに接着が落ちてくるため、日常的に着用するスーツや制服などには、縫製による裾上げが推奨されます。
裾上げは洗濯後にも必要?
新品の衣類に関しては、洗濯後に裾上げをするほうがメリットがあります。
綿(コットン)やウールなどの天然素材は、洗濯によって縮む性質を持つためです。
すでに洗い加工が施されているワンウォッシュの製品は、縮みが起こりにくいため購入直後にそのまま裾上げ可能です。
購入直後に裾上げする際は、店舗に洗濯が必要か、裾上げ後に縮む可能性があるか確認しましょう。
洗えるスーツをお探しの方は、以下の記事を参考にしてください。
>>洗えるスーツおすすめ10選!普通のスーツとの違いやお手入れ方法を解説
自分に合ったサイズにするならオーダースーツがおすすめ

裾上げは既製品を自分の体型に合わせるために重要な工程です。
しかし、裾上げが解決できるのは、丈の長さだけです。既製服では丈を合わせても、ウエストが合わなければ快適な履き心地になりません。
また、スーツをおしゃれに着こなすためには、パンツだけではなくジャケットもジャストフィットするものを選ぶ必要があります。
既製品のスーツでは理想のサイズが見つからない方には、Suit Yaのオーダースーツがおすすめです。
Suit Yaでは、希望のスタイル、身長、体重を入れるだけで採寸の指針を示してくれる自己オート採寸や、手持ちのスーツを郵送して採寸してもらえる便利なサービスを多数採用しています。
採寸で失敗したくない方は、ぜひともSuit Yaのオーダースーツをご検討ください。
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