フォーマルスーツとは?ビジネススーツとの違いや着用マナーを解説
2025/02/20
スーツに関する基礎知識
フォーマルスーツとは、結婚式や公式な式典、パーティーなど、厳粛な雰囲気が求められる格式高い場面で着用されるスーツです。
一方、ビジネススーツは、日常のオフィスや商談、会議といったビジネスシーンで着用されるもので、フォーマルなシーンでは適さないケースがほとんどです。
マナーを意識せず、格式高い場面でビジネススーツを着用すると、相手に対して失礼な印象を与える可能性もあるでしょう。
そこで本記事では、フォーマルスーツの定義や日本での位置付け、ビジネススーツとの違いなどを詳しく解説します。実際の着用シーンやマナーも紹介するので、正しい知識を身につけて、フォーマルスーツを着こなしたい方は参考にしてください。
フォーマルスーツとは?
フォーマルスーツとは、結婚式や公式な式典、パーティーなどのフォーマルな場で着用するスーツです。
以下で、フォーマルスーツの定義や特徴、日本における位置付けについてわかりやすく解説します。
フォーマルスーツの定義
フォーマルスーツは、以下のような格式が求められるシーンにふさわしいデザインのスーツです。
- 結婚式
- 公式な式典
- パーティー
- 葬儀や告別式
- 入学式や卒業式
着用する際の色や形状、ディテールに一定のルールが存在し、そのルールを守ることで、相手に対する敬意や場にふさわしい格式の高さを表現できます。
フォーマルスーツの特徴
フォーマルスーツは、公式な場面で着用するために厳選されたデザインと、細部へのこだわりが特徴です。
たとえば、素材には、上品な光沢としなやかな風合いを醸し出せるウールやウールブレンドが採用されやすいです。さらに、場の格式を保つために、以下のようなダークカラーが基本とされています。
- ブラック
- ネイビー
- チャコールグレー
また、体のラインを美しく見せるためのカッティングや、無駄な装飾を省いたシンプルなデザインなど、公式な場にふさわしい落ち着いた印象が特徴的です。
日本におけるフォーマルスーツの位置づけ
日本におけるフォーマルスーツは、単なるビジネススーツやカジュアルスーツとは区別され、社会的なマナーや礼儀を体現する重要な装いとしての位置付けです。
服装規範に則ってフォーマルスーツを着用することは、参加者全体が統一感のある格式高い印象を共有し、イベント自体の品位を保つ役割を担っているとも言えるでしょう。
また、公式な場や重要なイベントでの第一印象や信頼感を左右すると認識されており、正しく着こなせれば、相手に対する敬意を示せます。
日本社会においては、服装がその人の「身だしなみ」として重要視されやすいので、社会人マナーとして押さえておく必要があるでしょう。
フォーマルスーツとビジネススーツの違い
ここでは、フォーマルスーツとビジネススーツの違いを、以下の項目別に解説します。
- 格式の違い
- デザインや素材の違い
- 着用シーンの違い
シーンに応じた適切な服装を選ぶために、しっかり確認していきましょう。
格式の違い
フォーマルスーツは、結婚式や葬儀、公式なパーティーなど、社会的・儀礼的なシーンでの正装として着用されています。こういった場面では、参加者全員が一定のドレスコードに従うことで、会場全体の格式と統一感を保つ必要があります。
一方、ビジネススーツは、普段のオフィスや商談、出張などのビジネスシーンで着用される服装です。さらに、個人のスタイルや企業のイメージに合わせて多少の自由度が認められており、厳格なドレスコードよりも柔軟な選択が可能です。
フォーマルスーツとビジネススーツは、着用シーンや社会的な認識が異なるため、場面ごとに適切な服装を選ぶことが大事だと言えます。
デザインや素材の違い
フォーマルスーツは、基本的に襟の形状やラペルの幅、ボタンの数など、細部に至るまで厳密なルールが定められているケースが多いです。さらに、体のラインを美しく見せるために、無駄な装飾を省いたシンプルな見た目が基本です。
また、素材としては、上品で光沢のあるウールやウールブレンドが採用される傾向にあります。
一方、ビジネススーツは、基本的なルールは守りつつも、業界や企業文化、個人の好みに合わせて自由なデザインで仕上げられます。人の好みによっては、シンプルな無地だけでなく、ストライプやチェックを採用する場合もあるでしょう。
また、動きやすさや着心地を重視し、以下のような素材が使用されています。
- ポリエステル
- 混紡素材
- リネン
- コットン
フォーマルスーツは格式の高さを、ビジネススーツは基本のシルエットを保ちながらも、現代的なトレンドや実用性を重視していると言えるでしょう。
着用シーンの違い
フォーマルスーツとビジネススーツの着用シーンを比較した表は、以下のとおりです。
フォーマルスーツ | ビジネススーツ |
---|---|
・結婚式 ・公式な式典 ・パーティー ・葬儀 ・告別式 ・入学式 ・卒業式 ・表彰式 |
・企業のカジュアルなパーティー ・日々のオフィスワーク ・ミーティング ・商談 ・出張 ・仕事のセミナー |
フォーマルスーツは主に公式な儀礼や格式を重視するシーンで、ビジネススーツは日常のビジネスシーンで着用されています。
フォーマルスーツの種類と用途
フォーマルスーツは、以下のようなシーンに応じた服装のランクが存在します。
正礼装(モーニング・燕尾服・タキシード) | 最も格式が高く、結婚式や公式な式典で主催者側が着用することが一般的 |
---|---|
準礼装(ディレクターズスーツ・ブラックスーツ) | 結婚式のゲストや入学・卒業式などで着用される、ややカジュアルなフォーマルスタイル |
略礼装(ダークスーツ) | カジュアルなイベントや二次会などで適用される服装 |
それぞれにふさわしい着用シーンがあり、場違いな印象を与えないためにも、特徴や用途を確認していきましょう。
正礼装(モーニング・燕尾服・タキシード)
正礼装は最も格式の高いフォーマルウェアで、主に以下の3つが挙げられます。
種類 | 着用シーン |
---|---|
モーニング | 日中の公式行事や冠婚葬祭、フォーマルな午前中の式典 |
燕尾服 | 夜間の最も格式高い公式行事や国際的な儀式、舞踏会 |
タキシード | 夜間の公式なディナーやパーティー、結婚式の披露宴 |
モーニングは、シングルブレストやダブルブレストではなく、クラシカルなシルエットが特徴的です。ストライプやチェックの入ったウエストコートと、同系色のストライプ柄のパンツで、調和の取れたコーディネートに仕上げるケースが多いです。
燕尾服は、背中部分が燕尾のように長く裾が切り替えられており、ウエストラインがシャープに見えるデザインをしています。一般的に、黒や濃紺などのカラーと、高級ウールやシルク混紡といった上質な素材が採用されています。
タキシードは、ディナージャケットとしても知られ、シンプルながらも洗練されたデザインがポイントです。夜間のディナーやパーティーなど、社交の場で広く活躍し、燕尾服ほど堅苦しくなくも高いフォーマル感を持っています。
準礼装(ディレクターズスーツ・ブラックスーツ)
準礼装とは、正装ほどの厳格な規定は求められないものの、一定の格式と品位を保つためにフォーマルな要素が取り入れられた装いです。代表的な装いは、以下の2つです。
種類 | 着用シーン |
---|---|
ディレクターズスーツ | 企業の公式行事や重要な会議、社内外のセレモニー |
ブラックスーツ | ビジネスディナーや企業の表彰式、公式な会食、あるいはフォーマルな社交イベント |
ディレクターズスーツの名は、企業の上級管理職(ディレクター)が着用することから名付けられました。ディレクターにふさわしい、シンプルでありながらもエレガントなカッティングとシルエットが特徴的です。
また、フォーマルでありながらも現代的なビジネス環境に適したシーンで、信頼感と品位を示すために広く指示されています。
一方、ブラックスーツは、ブラックを基調としたスーツで、全体のシルエットがシャープかつ引き締まった印象を演出できます。ブラックは厳粛さと高級感を演出できるため、さまざまなフォーマルシーンに対応できる万能なスーツとも言えるでしょう。
正式な儀式ほどの厳格さは要求されないものの、一定の格式と洗練された印象を保つ必要がある場合に最適です。
略礼装(ダークスーツ)
略礼装(ダークスーツ)は、正装や準礼装に比べ、着用のハードルが低く、日常的なシーンにも比較的取り入れやすい装いです。
また、主にブラックやネイビー、ダークグレーといった、落ち着いたダークカラーが基本で、厳粛さやシックな印象を演出します。
ビジネスとフォーマルの中間的な位置づけとして、幅広いシーンで着用できる装いで、多くのビジネスマンから重宝されています。
フォーマルスーツを着用する場面
フォーマルスーツを着用する場面は、主に以下の4つです。
- 結婚式や披露宴
- 成人式や卒業式
- 葬儀や弔事
- 式典や公式なパーティー
それぞれ見ていきましょう。
結婚式や披露宴
結婚式や披露宴は、人生の大切な節目を祝う公式なイベントで、フォーマルな装いが求められます。カジュアルな装いで参加すると、主役である新郎新婦に対して失礼な印象を与えてしまいます。
また、基本的にブラックやネイビー、チャコールグレーなどの落ち着いた色を着用してください。派手な色やデザイン、過剰な装飾のあるスーツだと、悪目立ちしてしまう可能性もあるでしょう。
招待状に記載されたドレスコードをしっかりと確認し、マナーに沿った服装を心がけることが大事です。
成人式や卒業式
成人式や卒業式も、人生の節目を祝う大切な公式イベントなため、マナーとしてフォーマルスーツの着用が基本です。
また、清潔感と信頼感を意識した上で、ネクタイやポケットチーフで、大人の上品さや華やかさを演出するのもおすすめです。華やかさを演出しつつも、正しくフォーマルスーツを着用し、周りに好印象を与えましょう。
葬儀や弔事
葬儀や弔事は、故人への敬意と遺族への配慮を示す極めて厳かな場面で、シンプルで落ち着いたフォーマルスーツを着用する必要があります。基本はブラックかつ素材の光沢や質感が上品なウールやウールブレンド素材を選びましょう。
身だしなみ全体が整っていることが、遺族や参列者に対する配慮として伝わります。
式典や公式なパーティー
式典や公式なパーティーは、社会的・文化的な重要イベントなため、フォーマルスーツで品位やプロフェッショナルさを際立たせることが大事です。
また、フォーマルスーツの着こなしだけでなく、髪型や小物、身だしなみ全体が整っていることで、より一層の品位を表現できます。
フォーマルスーツの選び方のポイント
フォーマルスーツを選ぶ際は、以下のポイントを意識してください。
- 体型に合ったサイズを選ぶ
- シーンに適したデザインを選ぶ
- 季節に応じた生地を選ぶ
- ブランドや価格帯の選び方
上記を考慮して、自分に合ったフォーマルスーツを着こなしましょう。
体型に合ったサイズを選ぶ
体型に合ったサイズを選ぶことで、フォーマルスーツをスマートに着こなせます。自分の体型にぴったり合ったサイズか見極めるには、以下の項目を正確に測定することが重要です。
- 肩幅
- 胸囲
- ウエスト
- 袖丈
- 着丈
しかし、既製品のスーツだと、なかなか自分にジャストフィットするサイズ感は見つかりません。タイトすぎず、ゆるすぎず、程よいフィット感のスーツを手に入れたいなら、オーダースーツがおすすめです。
シーンに適したデザインを選ぶ
フォーマルスーツを着用する際は、シーンに適したデザインを選ぶことも重要です。たとえば、以下が挙げられます。
- 結婚式や卒業式:シンプルで落ち着いたカラー
- ビジネスシーンの公式な会議や商談:個性が主張しすぎない控えめなデザイン
- 社交・パーティー:個性的な華やかさとフォーマルさを両立させたデザイン
シーンごとのドレスコードや求められる雰囲気を理解し、デザインやアクセサリー、小物で上手く調整しましょう。
季節に応じた生地を選ぶ
スーツの生地は、着心地や見た目の美しさを左右する大事な要素です。季節に応じた生地を選ぶと、快適に着用できるだけでなく、おしゃれな季節感を演出できます。
季節ごとにおすすめな生地は、以下のとおりです。
- 春夏:リネンやシアサッカー
- 秋冬:ウールやツイード
また、生地の種類や、それぞれのメリット・デメリットについては、以下の記事で詳しく解説していますので、あわせてお読みください。
ブランドや価格帯の選び方
フォーマルスーツは、老舗ブランドで購入することで、伝統的な技術を取り入れた高品質なスーツを手に入れられます。
また、フォーマルスーツは、ブランドやオーダーメイドの度合い、使用される素材によって価格はさまざまです。単に価格が高いからといって、必ずしも自分にとって最適なスーツであるとは限りません。
予算や着用シーン、サイズ感などを考慮しながら、自分にふさわしいスーツを購入しましょう。
フォーマルスーツの正しい着用マナー
ここでは、以下のようなフォーマルスーツの正しい着用マナーを紹介します。
- ボタンの留め方
- ネクタイの選び方と結び方
- シャツの色やデザインのマナー
- フォーマルスーツの着こなしNG例
前もってマナーを把握し、正しくフォーマルスーツを着こなしましょう。
ボタンの留め方
フォーマルスーツのボタンの留め方に関する基本マナーは、以下のとおりです。
シングルブレスト | 上段のボタンだけを留め、下段は外す |
---|---|
ダブルブレスト | ブランドやデザインに応じて、すべてのボタンを留めるか、中央のみ留める |
座る場合 | すべてのボタンを外す |
フォーマルスーツの美しいシルエットと全体の品位を保つために、上記のマナーを心がけましょう。
ネクタイの選び方と結び方
フォーマルな場面では、無地または控えめな柄のネクタイが最適です。
- ブラック
- ネイビー
- シルバー
- ダークレッド
また、結び方としては、公式な場面にふさわしいきちんと感を表現できるウィンザーノットと、シンプルで控えめな印象を与えられるプレーンノットがおすすめです。
シャツの色やデザインのマナー
フォーマルシーンでは、清潔感と上品さを象徴するホワイトシャツが基本マナーです。シンプルでありながら、スーツとのコントラストも美しく、どんなシーンにもマッチします。
また、シンプルなデザインが基本で、派手な柄や装飾、色味が強すぎるシャツは品位を損なう可能性があるため避けてください。
フォーマルスーツの着こなしNG例
フォーマルスーツのNGな着こなし例は、以下のとおりです。
- サイズが合っていない
- 派手な柄や明るいカラー
- 過剰なアクセサリーを取り入れている
- シワや汚れが目立つスーツ
- カジュアルなアイテムを取り入れている
上記のNG例を避け、正しいマナーと着こなしを心がけながら、品位ある印象を与えていきましょう。
フォーマルスーツに合わせるべき小物や靴の選び方
ここでは、フォーマルスーツに合わせるべき小物や靴の選び方を紹介します。
細部にまでこだわって、フォーマルシーンにふさわしいコーディネートに仕上げてみてください。
フォーマルな靴の選び方
フォーマルなシーンでは、ブラックやネイビー、チャコールグレーなどの落ち着いた色が基本です。
また、シンプルなデザインの革靴は、清潔感と高級感を与えられるので、フォーマルスーツに合わせたいアイテムです。
ベルトやカフスのマナー
ベルトはブラックの革製品が基本で、スーツや靴と色・質感を合わせることで、全体の統一感を演出できます。加えて、過度にカジュアルな素材やデザインを避けて、光沢や仕上がりが丁寧な本革がおすすめです。
また、ビジネスやフォーマルなシーンでは、シングルカフスが一般的です。よりフォーマルな印象を求める場合は、ダブルカフスを選ぶと上品さをプラスできるでしょう。
ポケットチーフやネクタイピンの使い方
フォーマルスーツにおいて、ポケットチーフやネクタイピンは、さりげなく上品さをプラスするアクセサリーです。基本はシンプルな無地または控えめな柄を選び、その上でスーツやネクタイと調和する色合いにすることで、統一された洗練さを醸し出せます。
また、ネクタイピンは、ネクタイの上部(大体胸の中央あたり)に水平に装着します。複数のピンを使うのはNGで、あくまで実用的なアクセサリーとして活用しましょう。
腕時計やアクセサリーの選び方
フォーマルな場では、文字盤がシンプルで飾り気の少ない腕時計が好まれます。大きすぎると主張が激しく、小さすぎると存在感が薄くなってしまうため、スーツの袖口から自然に見えるサイズ感を選んでください。
また、アクセサリーは、シンプルかつ上品なデザインが基本です。過度な主張を避け、全体のコーディネートとの調和を重視することで、フォーマルな場面にふさわしい格式の高さや信頼感を与えられるでしょう。
フォーマルスーツとは何かを理解し、正しく着こなそう
フォーマルスーツは、公式な儀式や式典、ビジネスの重要な場面など、格式と品位が求められるシーンで着用する正装です。マナーを意識せず、正しく着こなせていないと、相手に対して敬意が欠けている印象を与え、マイナスイメージにつながってしまうでしょう。
フォーマルスーツを正しく着こなす上で最も大事なポイントは、以下の3つです。
- 自分の体型に合ったサイズとフィット感
- シンプルで落ち着いたデザイン
- 各アイテムの統一感
しかし、既製品のスーツだと、なかなかサイズとフィット感にはこだわれません。サイズとフィット感にまでこだわり、フォーマルスーツを正しく着こなしたいなら、オーダースーツがおすすめです。
「Suit Ya」なら、サイズとフィット感だけでなく、生地質やデザインなどの細かい部分までもこだわった、世界で一つだけのオリジナルスーツを手に入れられます。
1着目に限り無料でサイズ直しをしてくれる「ジャストサイズ保証」もありますので、フォーマルスーツをオーダーしたい方は、一度「Suit Ya」にお問い合わせください。
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